基調文へ 問題の核心へ だましのテクニックへ スクランブル技術とは
電気、ガス、水道メーターのように、どこの誰がそれらを使用しているか判別できるものの名称を借りて、どこの誰が放送を視聴しているか、特定できる、カードや装置をここではテレビメーターと、仮に呼ぶことにする。
一般には、「スクランブル」という言葉を使っているが、分かりにくいので、ここでは、分かりやすさを優先してテレビメーターを使うことにしている。
YAHOO! JAPAN 知恵袋 より引用
<スクランブル放送ってどういう意味でか>
料金を支払う契約者だけが受信できるよう、放送事業者側で放送に電波を乱す暗号(スクランブル)をかけて送信するものです。
教えて! goo より引用
スクランブル解除は、どのような仕組みになっているのですか?
先日、我が家のテレビを地上、BS・CSともデジタル化しました。
一台のテレビは、1年程前に購入したもの、もう一台は、3日前に購入したものです。
当然、B-CASカードも各々同時期にチューナーに挿入しています。
3日前に購入したTVで有料CS放送を見ると、画面左側に「無料お試しの申し込みの勧誘」メッセージが表示された上で、スクランブルが解除された放送が表示されています(おそらく、初期の無料放送期間だと思います。)が、1年ほど前に購入したTVでは、有料CS放送を見ることはできません。
ここで、質問です。
BS、CSの有料放送の映像部分のスクランブルは、どのようにして解除されているのでしょうか?
何も有料放送を無料で見たいと思っているわけではなく、技術的に大変興味があります。
ここの質問で、放送局側が、スクランブル状態の電波とともに、B-CASカード番号と関連付けたスクランブル解除信号を発信し、これを受信したB-CASカード付チューナー(B-CASカード番号が登録されたチューナー)が、スクランブルを除去するみたいな話がありました。
もしそうだとすると、放送局側は、膨大な数の(今、3000万超えたようですが・・)B-CASカード番号を関連付けたスクランブル解除信号を発信し続けることになりますし、チューナ側も、受信したスクランブル解除信号と、自己に登録されているB-CASカード番号を照合する処理が必要になるはずです。
試しに、1年前に購入したTVから挿入されていたB-CASカードを抜き取り、3日前に購入したTVに挿入したところ、CS有料放送が見れなくなりました。
現象としての結果は至極当然なのですが、表示までの時間にロスは感じられず、チューナー側で膨大な数のB-CASカード情報を処理しているようには思えません。
購入直後の初期無料期間のスクランブル解除状態(加入申し込みメッセージ付)、無料お試し期間申し込み後のスクランブル解除状態、契約後のスクランブル解除状態、契約終了後のスクランブル状態等、切り替わりのタイミングは様々ありますが、この処理は、どのように行われているのか、どなたかご存知ないでしょうか。
基本的には次のような仕組みです。
B-CASカードにはID番号、マスタキー(秘密鍵)が保管されています。
購入時はこの2つが記録されているだけです。
放送局からは放送番組だけではなく、番組に付随する情報、ECM、EMM情報を多重化して送信しています。
ここで、ECMとは暗号化された番組を解読するための鍵などが入った情報です。ECM自体も暗号化されています。
次にEMMですが、これが個別の受信者に向けて送信した情報になります。
EMMはB-CAS ID毎に、暗号化されて送信されています。これはそのIDのカードに入っているマスターキーにて解読できます。
EMMには契約情報が含まれていて、たとえば放送番組Aの視聴契約をしていれば、番組AのECMを解読する鍵が入っています。
つまり受信機では、自分のB-BAS ID向けに送信されてきたEMMをB-CASマスターキーで解読し、EMMに入っている個別情報やECM解読用の鍵を取り出し、これはB-CASカードの不揮発性領域に格納します(これらの情報は有効期限を定めています)。
そして、個別の放送の受信ではその放送毎に多重化して送信されているECMをEMMから取り出した鍵で解読し、ECMに入っているスクランブル解除の鍵を取り出し、それで暗号化された番組を復号します。
EMMの受信に失敗することがないように、受信機は電源を切っているときでも電波を受信して自分宛のEMMがないかチェックしています。
更に言うと、受信機は自分の機種宛のファームウェアが送信されてきていないかどうかもチェックしています。これは受信機のファームウェアがメーカーにより時々アップデートされることがあるためです。
EMMの送信頻度はよくわかりませんが、実用的な時間内に受信できるようにはしているのでしょう。仮にEMMの情報量を20byte程度とすると、地上波デジタル1chの伝送量は約2Mbyte/secだから、一秒で10万件の送信が出来ます。
実際には占有するわけには行かないので、もっと長い周期なのではないかと思います。