NHK受信料問題 矛 盾 

NHKが放送法64条1項を必要とする根拠

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 NHKは放送法64条1項が必要な理由として、次のように述べている。

放送法64条1項の規定設けるに当たって国会審議における政府委員の説明は以下の通りである(昭和25年2月2日第7回国会衆議院電気通信委員会議録第4号6頁)

 受信機の許可ということをはずしたのであります。そうなって参りますと,一方において無料の放送ができて来るということになると,日本放送協会がここに何らか法律的な根拠がなければ,その聴取料の徴収を継続して行くということが,おそらく不可能になるだろうということは予想されるのでありまして,ここに先ほどお話いたしましたように,強制的に国民と日本放送協会の間に,聴取契約を結ばなければならないという条項が必要になって来る。

 放送の有料と無料について

 上記に「無料の放送局ができる」、との記述があるが、「無料」という表現が少しおかしいと感じる。確かに、NHKは受信料を直接視聴者から徴収している。それに対して、他の放送局は直接視聴者から料金を徴取してはいない。しかしながら、商業活動において、無料などとうものは存在しない。NHK以外の放送局は、企業に代わり広告を行い、広告宣伝費を各企業からもらう。広告を出した企業は、広告費を自社の商品・サービスに上乗せして、商品・サービスを販売し、広告費を回収する。テレビ視聴者は、広告費を含んだ商品を購入することによってテレビ局の活動を支えている。だから、「無料」との表現は適切ではない。直接支払うか、間接に払うかの違いであって、どちらも、テレビ視聴者が負担していることに、何ら変わりない。「無料」とは、寄付金、あるいは寄付物品を使って、社会貢献する場合に使う表現で、上記のように、商行活動に対して使うのは、適切ではない。無料とは、金品・物品や時間の提供に対して、何の見返りを求めないものを言うのである。国を含む地方自治体が行う、各種サービスなども、無料ではない。その活動資金は、各自の支払う税金によって支えられているからだ。公立の図書館の利用に対して、利用料は払わない。しかし、その活動を支えている資金は、国民が払う税金である。直接、利用料を払わないから、一見無料に見えるかもしれないが、間接的に国民が負担しているのだある。国民が支払う資金を使っている活動であるから、決して無料ではないのである。だから、「無料の放送ができる」というのは適切ではない。料金を「直接」に、あるいは「間接」に払うかの違いである。

 放送局が2形態存在することについて

 NHKのように、直接放送利用料を放送局に支払う形態と、他の放送局のように、放送利用料を間接に支払う放送局の、2つの形態が存在することについては、何ら問題はない。だから、我々は、NHKの存在そのものを否定するわけではない。これは、機会があるごとに述べてきた。現在、利用者から直接利用料を徴収するテレビ局は、NHKだけではく、NHK以外にも複数存在し、営業活動している。このように、利用料を直接徴収するテレビ局と間接に徴収するテレビ局の2形態の存在することに、まったく問題はない。

 NHKに受信料の徴取権を認めることについて

 NHKに、利用料の徴収を認めることも、なんら問題はない。何かのサービスを提供して、利用料を徴収することは、むしろ当たり前のことである。但し、NHKに利用料の徴収権を、昭和25年頃、この時はまだテレビ局はなく、ラジオの時代であるが、


   

 

そもそも、放送事業者というのは2種類存在し、一つが営利を目的としない公共放送事業者、もう一つが営利を目的とする民間放送事業者である。NHKは言うまでもなく公共放送事業者である。民間放送事業者CM等による広告収入等を財源とするのに対し、公共放送事業者は聴取料を財源としている。そのため、聴取料を徴収するための何らかの法的な強制が必要なのである。



つづく